研究分担者 |
山元 隆春 広島大学, 学校教育学部, 助教授 (90210533)
牧戸 章 滋賀大学, 教育学部, 助教授 (40190334)
植山 俊宏 京都教育大学, 教育学部, 助教授 (50193850)
位藤 紀美子 京都教育大学, 教育学部, 教授 (80027713)
吉田 裕久 広島大学, 教育学部, 助教授 (80108373)
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研究概要 |
本科研の2年度めである平成10年度は,平成9年度末に中間報告書のかたちで公にした予備調査結果についてより詳細な検討を行いながら,最終年度に行う本調査研究の実施計画の検討を中心に展開した。 これまで取り組んできた,説明的文章班,文学作品班,文章表現班,音声表現班の4領域班による本調査の計画・実施・分析を中心にした。前年度におこなった予備調査によって得られた研究仮説について協議し,より的確に国語能力の発達のすじみちを解明することのできるような研究デザインを求めて研究をおこなった。各研究領域班ごとの研究を中心としたが,内容によっては複数の班の間で協議しながら研究を進めた。 本年度の研究成果としては,次のようなことを挙げることができる。 1. 各研究領域班ごとの個別の問題設定を細やかにした調査項目を設定していくことが,言語能力を構造として把握し,その発達のすじみちを解明することにつながることを明らかにしたこと。 2. 国語能力を捉えていくにあたって,個人が能力を所有していると考えるのではなく,むしろ個人間の関係性のあり方のなかではぐくまれるものとして能力を捉え,そのような関係性のなかで国語能力が獲得される実態を明らかにしていく必要性を確認することができたこと。 3. 予備調査結果の検討を通じて,発達の節目を明らかにしながら,本調査研究の対象とする問題(対象学年,何を調査するのかという問題等)を明確に絞り込む必要があることを確認することができたこと。 本科研は,すでにその研究成果の一部を平成9年度に中間報告書としてまとめているが,さらに継続して展開するものである。上記の成果にもとづきながら,最終年度である平成11年度には本調査の検討を含めて,本科研の研究成果を集約し,最終報告書としてまとめる予定である。
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