研究課題/領域番号 |
09640014
|
研究機関 | 東京学芸大学 |
研究代表者 |
宮地 淳一 東京学芸大学, 教育学部, 助教授 (50209920)
|
研究分担者 |
徳広 好 (北村 好) 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (00014811)
星野 光男 筑波大学, 数学系, 講師 (90181495)
蔵野 和彦 東京都立大学, 理学部, 助教授 (90205188)
|
キーワード | 導来圏 / 鎖複体 / Auslander-Gorenstein環 / Chern character / Dutta multiplicity / 入射加群 / 完全環 / ハミルトニアン |
研究概要 |
前年度、可換環、代数幾何学に於ける双対鎖複体の概念を非可換ネーター環上に拡張し、双対鎖複体は全ての直既約入射加群を含むという代数幾何学に於けるresidual性が非可換環上でも成り立つことを示し、導来圏での“森田双対理論"の存在を証明した。そこで得られた結果、方法を用いて我々は、可換Gorenstein環の非可換環への拡張である、非可換Gorenstein環、Auslander-Gorenstein環における入射分解の最終項のに現れる直既約入射加群の研究を主に行った。本年度の実績の中で最も重要な結果は、非可換Gorenstein環の自入射次元と同じ入射次元を持つ加群の入射分解最終項に出てくる直既約入射加群は、環自身の入射分解の最終項にすべて現れるという加群圏での可換Gorenstein環と同じ性質を持つことを示したことである。特に、Auslande-Gorenstein環の場合には、その最終項に出てくる直既約入射加群は環の極大idealに対応していることが分かった。 他に次のような関連する成果を得た。 1) 可換環において、Serreの交点数に関する予想の成立と同値な条件を与え、そのことより導かれる正則局所環の素イデアルのsymbolic powerの性質を解明した。また、Adams operationとlocalized Chern characterの関係を見つけ、そのことを使って、標数0の場合にDutta multiplicityの正値性を証明した。(蔵野を中心とする。) 2) スピン・ボゾンのハミルトニアンの最低固有エネルギーを、その表現を使うことで、パラメータを持った公式で与えられる必要十分条件を示すことができた。(平成10年9月30日まで研究分担者であった、廣川を中心とする。)
|