研究概要 |
粘性非圧縮流体の運動方程式として知られているNavier-Stokes方程式の初期境界値問題に対して,任意の大きさの初期値が与えらたときglobal solutionの一意存在が今尚'open problem'のままである。本研究の目的にそって,現在までに得られました主な結果は次の通りです. (1)粘性非圧縮流体の運動方程式に対して,速度勾配が小さい時間においてはNavier-Stokes方程式を満足し,速度勾配が大きくなったとき‘blow up'しないでLadyzhenskaia typeの方程式を満足するように自然に切り替わって,無限時間にわたって存在する解を構成した.その解は十分時間が経ったときは速度勾配が自然に小さくなって,ずっとNavier-Stokes方程式を満足し続けることを証明した.この研究の独創的な点は次のような方程式を考えついたことにある. (∂u)/(∂t)-(ν0)/2(1+ν(||∇u||^2))Δu+u・∇u=-∇p(x∈Ω,t>0) with a function ν(t)=1/Kmax{t,K}for any K>0. 上記の結果は投稿中であり,また九大数理学研究科のプレプリントに発表(裏面の研究発表欄),University of Delaware(U.S.A.)で開催されたCongress ISAAC'97において講演を行った. (2)外力f(x,t)に大きさの制限をcriticalなもので与え(現在のところではbestだと思う),Navier-Stokes方程式に対するperiodic solutionの存在を証明した(研究発表欄に記述).
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