研究課題/領域番号 |
09640210
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
中神 祥臣 横浜市立大学, 理学部, 教授 (70091246)
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研究分担者 |
森 俊夫 横浜市立大学, 理学部, 教授 (40046008)
白石 高章 横浜市立大学, 理学部, 助教授 (50143160)
市村 文男 横浜市立大学, 理学部, 助教授 (00203109)
市田 良輔 横浜市立大学, 理学部, 教授 (10094294)
藤井 一章 横浜市立大学, 理学部, 助教授 (00128084)
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キーワード | 量子群 / von Neumarsu環 / Kac環 / Woronowicz環 / Hopf環 / Lorentz群 |
研究概要 |
局所コンパクト群に対応する量子群の解析には、ホップ代数の枠組みだけでは不十分であり、この部分を補う理論としてKac環の理論を量子群に適用できる形に定式化し直すことが必要になる。その結果、Woronowicz環なる概念に到達し、われわれは既にその双対性を増田氏との共同研究で示すことができている。さらに、具体的な量子群SU_q(n)や高次元の量子Lorentz群SL_q(n,C)などが、この枠組みで扱えるかどうかを、黒瀬とともに詳細に検討したところ、双対Woronowicz環に対しては、変形のパラメータがqからq^<-1>へ移行することなどを通じて、これらの量子群とWoronowicz環との間には自然な対応関係があるもわかった。 また、量子群SU_q(2)のAFDIII型因子環への作用がJonesの多項式と関係して現れることも、専門家の間では知られているが、数学的にきちんとした定式化を行うためには、このWoronowicz環を用いなければならない。 また、最近ではJones,Ocneanu等の既約部分因子環に基本構成法を適用して得られるタワーM_0⊂M_1⊂・・・に関する結果で、指数に有限性を仮定する代わりに,負荷さ2を仮定すると、M_<i+1>がM_iとあるWoronowicz環との接合積で現されることが、Enock,Nest等により示されている。このことは指数が有限な場合に知られている結果の拡張と考えられるが、同時にKac環よりもWoronowicz環の方が自然な数学的対象であることを示している。
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