研究課題
基盤研究(C)
ポアンカレ上半平面上のブラウン運動が確率微分方程式の解として具体的なウィナー汎関数によって与えられることから議論を始めて、マースのラプラシアンに対するセルバーグ跡公式を証明し、古典力学との量的、質的な関係を明らかにした。この結果は池田氏との共著論文に発表した。この際、熱核の具体形については議論、計算ができなかったが、さらに研究を進め、同じ枠組みの中でこれらが可能であることを示した。上述の上半平面上の確率解析、数理ファイナンスにおいて、幾何ブラウン運動の時間積分で定義されるウィナー汎関数が重要な役割を果たす。Yor氏との共同研究において、このウィナー汎関数からある極限操作を経てブラウン運動の最大値過程が得られることを注意し、反射壁ブラウン運動、ベッセル過程の表現を与えるレヴィ、ピットマンの定理の類似が、幾何ブラウン運動から極限操作をする前の段階で拡散過程が得られていることおよび関連する話題について発表した。
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