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1998 年度 実績報告書

スピン偏極電子源を用いた軟X線共鳴逆光電子分光

研究課題

研究課題/領域番号 09640388
研究機関東京大学

研究代表者

藤沢 正美  東京大学, 物性研究所, 助手 (70126093)

研究分担者 手塚 泰久  東京大学, 物性研究所, 助手 (20236970)
柿崎 明人  東京大学, 物質構造科学研究所, 教授 (60106747)
辛 埴  東京大学, 物性研究所, 助教授 (00162785)
キーワードスピン偏極 / 逆光電子分光 / 偏極電子源
研究概要

本年度は、電子銃の製作を行った。偏極電子源のNEA(負電子親和力)カソードに、GaAsPの結晶を用い、カソードにCsを真空中で蒸着することによって仕事関数を低下させ、負電子親和力状態にした。
実験は、軟X線発光分光器を用いて行われた。この軟X線発光分光器は我々によって自作された分光器である。
CePd_7は近藤温度が1万度近く、もっとも近藤温度が高い物質の1つであるが、共鳴逆光電子分光の結果、4f^0と4f^1状態(逆光電子の終状態では4f^1と4f^2状態)が著しく共鳴していることが観測され、予想どうり4f電子数がかなり小さい価数揺動状熊であることが判明した。この結果は、4f状態がバンド構造で説明されるよりは、局在した状態であることを示している。更に、共鳴逆光電子分光の角度依存性を測定したところ、表面付近では、バルクの状態と比べ、4fが局在しており、4f^1状態の強度が強くなっている事がわかった。このことは、遍歴性が高い4f物質の一般的な特徴であると思われる。スペクトル形状は、小谷らの不純物アンダーソンモデルを用いた計算と比較した結果、よく一致していることがわかった。また、角度依存性の実験結果も計算で良く説明され、バルクと表面のパラメーターの違いが明らかになった。
また、CePd_3の共鳴光電子分光を測り、その温度変化を測った。スペクトルの変化は、近藤温度を境にして、4f^0と4f^1の混成の比率が変化したことを表している。この実験方法は、4f^0と4f^1の混成の比率を直接求める有力な方法であることがわかった。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] K.Soda: "Inverse photoemission and soft x-ray cmission spectra of Al-Ni-Co decagonal single quasicrystal" J.Electron Spec.and Rclated Phenomina. 88-91. 415-418 (1998)

  • [文献書誌] H.Ishii: "Resonant inverse photoemission study of NiS_<2-x>Se_x" J.Electron Spec.and Related Phenomina. 92. 77-80 (1998)

  • [文献書誌] K.Kanai: "Temperature dependence of inverse photoemission spectra at Ce 4d absorption edge of CePd_3" J.Electron Spec.and Related Phenomina. 92. 81-85 (1998)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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