超高真空チャンバー内で清浄なPt表面に吸着したCO分子の酸化に見る表面でのBZ(Belousov-Zhabotinskii)反応現象の機構の解明を図ることが目的である。 まず必要な装置の組立、各種機器の性能試験を行った。ターゲットのPtを取り付けるチャンバーを中心に、一方にPtに吸着させるCOの導入管や吸着したCOを酸化させる原子状酸素原子線を発生させる励起線源を3段差動排気装置を用いて連結し、他方に付着したCOの被覆率を測定するAES(Auger electronspectroscopy)や酸素原子によって酸化されて発生したCO_2分子の速度分布、角度分布を測定するためにQMS(Quadrupole mass spectrometer)を取り付ける。特に新しく購入した励起線源は酸素原子線を30cmの飛行でサンプル表面で1×10^<15>atoms/cm^2のフラックスを確認した。又、CO_2分子を効率よく検出するためにターゲットとQMSの間にクロス・コリレーション・チョバ-を挿入する。 実験は各種装置の性能試験も兼ねて最初Si表面でH原子の付着、脱離反応を行い、次にPt表面でのCO分子、酸素原子の反応を下記の手順にしたがって遂行した。 (1)超高真空チャンバー内でPt表面をArで洗浄後、その表面にCO分子を付着させる。 (2)AESでPt表面のCO被覆率を測定する。 (3)O原子線を発生し、それを表面吸着CO分子に衝突させ発生するCO_2分子の速度分布、角度分布をQMSで測定する。 (4)(1)〜(3)の過程をCO被覆率、CO被覆温度を変化させて行う。
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