1、Pt(111)表面にD原子を照射した場合D原子が表面サイトに吸着される以外に表面近傍の結晶内にも吸収されることを確認し、TPD(昇温脱離)で脱離してくるD_2のメカニズムを検討し2次反応であることを解明した。 2、(1)O吸着Pt(111)表面のD原子照射後TPDによるD_2Oの脱離、また逆に(2)D吸着Pt(111)表面のO原子照射後TPDによるD_2Oの脱離はともにTPDで170Kと210Kのピーク温度をもつが下記のように異なった脱離メカニズムであることを解明した。 (1)については (1)D原子の照射が多いと表面上にD_2Oが形成され化学吸着した状態からTPDで170Kのピーク温度で脱離。 (2)D原子の照射が少ないと表面上にO・Dボンドが形成され210KでD_2Oを生成して脱離。 (2)は(1)と異なって最初のD原子照射のときバルク内にDが吸収されている。 (1)150Kでバルク内のDが表面に表れ始め表面に形成されているO・Dボンドと反応してD_2Oを生成し170Kをピークとする脱離を生じる。 (2)表面上に吸着したD原子が加熱が始まると拡散し、表面に吸着したO原子と結合してO・Dボンドを形成する。更に加熱が進むと210KでD_2Oを生成し脱離が起こる。
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