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1997 年度 実績報告書

DNAレベルの遺伝的変異の保有機構に関する理論的研究

研究課題

研究課題/領域番号 09640734
研究種目

基盤研究(C)

研究機関東京大学

研究代表者

田嶋 文生  東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (30183065)

キーワードDNA多型 / 遺伝的異変 / 保有機構 / 自然選択 / 中立説
研究概要

本研究の目的は、DNA多型に関する理論を構築し、少数の塩基部位に働いている自然選択がDNA配列全体の多型の量とパターンに及ぼす影響を明らかにすることである。
このため、本年度は、自然選択がある塩基部位に働いているとき、どのようなDNA多型の量とパターンが期待されるかを、遺伝子系図学に基づいた数理理論およびコンピュータ・シミュレーションを用いて明らかにした。その結果、以下のことが明らかになった。
自然選択が働いている塩基部位に二つの対立遺伝子(Aとa)が存在するとき、対立遺伝子A内の多型の量をπ_A、対立遺伝子a内の多型の量をπ_aとすると、この二つの量の和の期待値は、自然選択の種類や有無に関わらず、ほぼ4Nvとなる。すなわち、
E(π_A)+E(π_a)【similar or equal】Nv
が成り立つ。ここで、Nは集団の有効な大きさであり、vは世代あたりの突然変異率である。このことは、4Nvを推定するのにπ_A+π_aを用いることができることを意味している。
ただし、この結果は、遺伝子内で組換えがないという仮定の下でえられたものであり、組換えがあるとπ_A+π_aの期待値は4Nvより大きくなる。今後、組換えを取り入れた数理理論を構築する必要がある。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Tajima,F.: "The amount and pattern of DNA polymorphism under the neutral mutation hypothesis" Genetica. (発表予定). (1998)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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