研究概要 |
研究計画調書の提出時とは、所属先が変更したが、ほぼ当初の計画に従い、以下に示すように歯車変速機の研究開発と運転性能についての実験的調査研究を行なった。 I,試作変速機の改良 既に試作していた比較用遊星歯車変速機の改良を行なった。設計・製作はすべて当研究室と実習工場(熊本工業大学機械工学科)で行なった。主な変速機の諸元は以下の通り。 (1)内転差動歯車変速機(減速比i=31.3,Z_1=39,Z_2=33,Z_3=105,Z_4=39,Z_5=111) (2)外転差動歯車変速機(減速比i=4.889,Z_1=33,Z_2=37,Z_3=37,Z_4=33) (3)不思議歯車変速機(減速比i=125,Z_1=39,Z_2=32,Z_3=105,Z_4=32,Z_5=102) II,運転性能を調べるための試験装置の設計・製作 試作した運転性能を明らかにするために、本研究では次の2通りの試験機を設計・製作した。 (1)モーター駆動動力吸収式の性能(Running-efficiency)試験機 (2)準静的なトルクバランス式の性能(Static-efficiency)試験機 III,新形の高性能高減速歯車変速機の設計・製作 ピン・ホールカップリング使用しない新形の偏芯式差動遊星歯車変速機を試作した。主な諸元は ◇一段目〔入力軸と一体形太陽歯車:Z_1=13,遊星歯車(3個):Z_2=51〕 ◇二段目〔偏心歯車:Z_3=198(偏芯量δ=1.619),出力軸と一体形の内歯車:Z_4=200〕である。 試作した新形偏芯歯車変速機は、高減速比(減速比i=392.3)にも関わらず動力伝達効率が最高η=75%の値を示し、たいへん優れた運転性能を持っていることが分かった。 IV,本研究のための基礎的実験 2円筒試験を行ない転がり接触面の摩擦係数に及ぼす粗さや潤滑油の影響を調べた。
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