研究概要 |
本年度は、本研究の締めくくりとして当初の研究計画に従い、以下に示す歯車変速機の研究開発と運転性能についての実験的調査研究および研究のまとめを行った。 I, 比較用の歯車変速機の改良 比較用に試作していた遊星歯車変速機の一部改良を行った。設計・製作はすべて当研究室と実習工場(熊本工業大学)で行なった。 (1) 内転差動歯車変速機(2)外転差動歯車変速機(3)不思議歯車変速機および割出盤 II, 運転性能を調べるための試験装置(設計・製作と改良) 試作した運転性能を明らかにするために、本研究では次の3通りの試験方法で行った。 (1) 準静的なトルクバランス式の性能(Static-efficiency)試験 (2) モータ駆動/ブレーキによる動力吸収式の性能(Running-efficiency)試験 高減速比を有する変速機を試験する場合には、出力側回転が低速となり従来使用していたプロニー式ブレーキでは制動特性が悪いため、バイク用の油圧式のディスクブレーキを使用した。 (3) 光学的割出精度測定試験:高減速歯車変速機の割出精度を光学式(分解能1秒)測定器で測定。 III, 新形の高性能高減速歯車変速機の設計・製作と改良 ピン・ホールカップリング使用しない新形の偏芯式差動遊星歯車変速機を試作と改良を行った。主な諸元は1号機と同じで以下の通り ◇一段目〔入力軸と一体形太陽歯車:Z_1=13,クランク軸と一体の歯車(3個):Z_2=51〕 ◇二段目〔偏心歯車:Z_3=198(偏芯量δ=1.619),出力軸と一体形の内歯車:Z_4=200〕である。 試作した新形偏芯歯車変速機は、高い速比(i=392.3)にも関わらず動力伝達効率が、減速時にη=75%,増速時にη=73%の最高値を示し、優れた運転性能を持っていることが分かった。 IV, 本研究のための基礎的実験 2円筒試験を行ない転がり接触面の摩擦係数に及ぼす粗さや潤滑油の影響を調べた。 V, 研究発表 本研究の成果の一部はフランスの国際会議にて発表を行った。
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