ベスト・エフォート・サービス型情報ネットワークを対象として、「交渉能力を有する知能エージェントによる分散協調型ネットワーク運用・管理技術」を検討している。次いで、ベスト・エフォート・サービス型情報ネットワークの特性について調査を行った。 また、ネットワーク利用者と提供者の連携(協調と競争)を前提とした分散協調型ネットワークの運用・管理に必要とされる機能の明確化を図った。 さらに、これらの機能を具現化する、知能エージェントのベースとなるモ-バイル・エージェントの検討を行った。すなわち、実際のネットワーク上に、モ-バイル・エージェントが動くエージェント・ネットワークを構築した。具体的には、モ-バイル・エージェントは各ホストに構築されたモ-バイル・エンジン(セルと呼ぶ)上で動作し、セルを通して相互通信を行うものである。 本システムはJavaで記述されているため、モ-バイル・エージェントはJavaの実行環境を備えたホストであれば、そのプラットフォームやOSの如何に関わらず動作可能である。また、モ-バイル・エージェントはJava appletを用いて実装されているため、一般には移動先のホストのローカル資源へのアクセスが禁止されるが、Agent/Servantの導入でその問題の解決を図った。 今後はモ-バイル・エージェントに高度のインテリジェンスを付与し、また複数エージェント間でのネゴシエーションを可能とし、分散協調型ネットワーク運用・管理への適用を検討する予定である。
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