研究概要 |
動物体を含む運動映像を認識し、その映像内容をコマンド記述することによって、データ圧縮や検索の面で優れた動画像データベースを構築することを目的に、その基本技術について以下の2つの課題に分けて検討を行った。 (1)通常の映像には映像表現方法として各種のカメラワークが用いられている。しかし、これらのカメラワークは対象物の認識に対しては対象物の拡大や,位置の移動を行うので障害となる場合が多い。そこで、運動映像を認識するのに先立ち、各種のカメラワークを含む映像からカメラワークを自動抽出し、それらの影響を除去する技術について検討した。 具体的には、ズーミング、パンニング、チルティングやローテーションなどのカメラワークおよびそれらを組み合わせた複合カメラワークを含む映像をブロック分割し、そのブロックの動きベクトルの組み合わせから対象とするカメラワークを抽出する技術について検討した。その結果対象とするカメラワーク成分をほぼ正確に抽出できることを確認した。 (2)映像中に含まれる動き対象物体の抽出とその運動認識を行い、対象物体の運動を運動コマンド化する技術について検討した。 具体的には、歩行運動および体操競技における鉄棒運動を行う人物映像を対象に、人物の抽出を行うと共に、その歩行や回転動作における動きのピッチなどのパラメータを抽出し、運動をコマンド化することを試みた。その結果、目的とする運動パラメータをほぼ正確に認識できることを確認した。
|