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淀川下流域を対象として、その地形、景観、水理、水質などの自然的環境と、そこに展開されているわが国の代表的都市圏である大阪圏の都市活動を中心とした社会的環境の現状について、これらにかかわって多面的に存在する地域情報・環境情報を集約化し、その特性を分析・評価するための流域環境情報システムを構築し、これを用いて21世紀の淀川下流域の自然的・社会的環境像を探ることを目的としている。すなわち、地域・環境開発におけるさまざまな観点から流域環境情報システムを用いた多面的なアプローチにより、淀川下流域の自然的・社会的環境を明らかにし、環境と共生する住みよい地域空間を創造する一助とする。
研究計画の初年度として、研究代表者(吉川)はすでに他のプラットフォームで開発ずみのシステムを発展させ、淀川下流域の地図データベースを拡充するとともに、新たにWINDOWS NT上で稼働するマッピング・システムをベースに、地図データベースや画像データベースが取り扱える流域環境情報システムのプロトタイプを構築した。また、東大阪市を対象地域として、備品費により購入したディジタイザを用いて、より詳細な地図データベースを構築するとともに、地域メッシュ統計データベースの解析結果とのオーバーレイ・マッピングにより、都市活動の解析を行った。今後、このサブシステムは都市景観形成を支援するシステムへ展開させることにしている。
一方、研究分担者(綾)は、淀川流域の下流部を対象として、明治以来の治水・利水のための河川改修により淀川の現河道がどのように形成されてきたかを、地形図、空中写真を収集し、その判読により明らかにした。また、過去約50年間の淀川河川水質調査の結果と流域諸都市の経済・社会の動態を表す指標を収集し、それらの関係を検討した。今後は、これらの情報を上記のプロトタイプ・システムに組み込んでいく予定である。
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