研究概要 |
平成9年度の研究実績を以下にまとめる. 実際の建築物は市街地のように周辺に種々の障害物を持った場所に立つことが多いので,接近流は周囲の影響を受けた乱流となり,その性状も多様である.本研究では条件付確率場の理論を用いた流入風速変動の生成法により,既知波形を含む風速変動を周波数空間における補間により生成する.その際,計算手法のチェック,プログラムのデバッグ等予備的な作業をワークステーション上で行った.計算量の大きいメインの計算は計算機センターのスーパーコンピュータ上で行い,計算結果はワークステーション上に取り込み,解析,グラフ化等の後処理を行った.これにより,パラメータの検討,計算手法,モデル化,補間方法等に関する問題点を明らかにし,それらへの対応を検討した.その結果,種々の性状を持った風速変動を人工的に発生させることができ,それらを流入条件として,ラージ・エディ・シミュレーション(LES)によって乱流境界層の乱流場の数値計算を行い,実験結果等との比較によって,計算手法,モデル化,補間方法等に関する問題点を明らかにした. 次年度では,上述の方法で生成した風速変動を用いて,建物周りの乱流場の数値計算を行い,種々の検討を行う予定である.
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