研究課題/領域番号 |
09650776
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
浅見 勝彦 東北大学, 金属材料研究所, 助教授 (20005929)
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研究分担者 |
秋山 英二 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (70231834)
幅崎 浩樹 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (50208568)
菊地 迪夫 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (30204837)
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キーワード | アモルファス合金 / ジルコニウムニッケル合金 / 触媒 / 二酸化炭素 / メタン化 / ジルコニア / 結晶構造 / 担体効果 |
研究概要 |
非晶質Ni-Zr基二元合金を酸化と還元を繰り返し施すことにより、ジルコニアに微細な金属状のニッケルが担持された物質が生成したが、この物質は二酸化炭素と水素を反応させてメタンを生じさせるための触媒としての活性を持つことがわかった。そこで、メタン化触媒としての活性の程度と合金組成、反応温度などとの関係を調べた。この触媒を用いると、二酸化炭素と水素との反応により二酸化炭素はほとんどメタンと水に変わった。反応温度100-300℃の範囲においては、反応は温度上昇とともに増大した。調べた合金の組成範囲では、Zrを40-50原子%含む場合にメタン化速度が最大であった。また、含浸法で作製した3原子%の金属Niをジルコニアに担持した触媒と比較したが、メタン化速度は非晶質Ni-Zr基合金から作製した触媒の方が大きかった。水素の化学吸着法により表面に存在するニッケル原子の数を決定したが、これは触媒中のZr含有量とともに増大した。一方、ターンオーバー数は逆にZr含有量の増加に従って減少した。この非晶質Ni-Zr基合金から作製した触媒には結晶型の異なる二種類のジルコニアが含まれていた。一つは安定な単斜晶型で、もう一つは準安定な正方晶型であった。Niを70原子%含む合金からは作製した場合には準安定な正方晶型が主であったが、Zr含有量の増大とともに、準安定正方晶型ジルコニアの割合は減少した。これらの結果から、Ni含有量の大きい場合の大きなターンオーバー数は準安定正方晶型ジルコニアに担持された金属状Niによるものと推察され、担体のジルコニアの結晶構造の触媒活性に及ぼす効果の重要性を明らかにした。
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