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1997 年度 実績報告書

希土類含有硫化物系ガラスの開発と機能および構造

研究課題

研究課題/領域番号 09650923
研究種目

基盤研究(C)

研究機関神戸大学

研究代表者

河本 洋次  神戸大学, 理学部, 教授 (00030776)

研究分担者 菅野 了二  神戸大学, 理学部, 助教授 (90135426)
キーワード硫化物ガラス / 希土類元素 / 光学的機能
研究概要

(1)希土類を含有させること可能な硫化物ガラスのうち最も単純な系であるGeS_2ガラスの構造をX線動径分布法とreverse Monte Carlo法を併用して解析を行った。その結果、GeS_2ガラスの構造はα型GeS_2結晶の構造とβ型GeS_2結晶の構造 の中間的構造を有すること、GeS_2ガラスを構成する基本単位であるGeS_4四面体おけるGeのS配位数は4よりも小さくダングリングボンドが存在すること、Ge-S-Ge結合角およびS-Ge-S結合角は大きな分布をもっていること、GeS_4四面体の一部は陵共有をしていることなど原子レベルでの詳細な情報を明らかにした。
(2)Ga_2S_3-GeS_2-La_2S_3系ガラスにEr_2S_3を添加した硫化物ガラスにおけるEr^<3+>イオンの光学的遷移およびアップコンバージョン蛍光を検討した。Judd-Ofelt理論と蛍光寿命データをもとに自然放射確率に基づいてEr^<3+>の分光的性質を検討した結果、このガラスでの自然放射効率は酸化物ガラスやフッ化物ガラスのそれらに比べて非常に大きいことが明らかになった。この理由は主に硫化物ガラスの大きな屈折率によるものであることがわかった。また、このガラスの量子効率は非常に高く、この理由はこのガラスの大きい自然放射確率と低いフォノンエネルギーによるものである。一方、Er^<3+>イオンのアップコンバージョン蛍光の結果を多フォノン緩和およびエネルギー移動に基づいて解析し、アップコンバージョン蛍光の機構を明らかにした。アップコンバージョン蛍光として青、緑および赤の発光を観測した。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] X.Zhao, H.Higuchi & Y.Kawamoto: "Structural analysis of GeS_2 glass by means of reverse Monte Carlo simulation" Physics and Chemistry of Glasses. 39. 98-99 (1998)

  • [文献書誌] H.Higuchi, M.Takahashi, Y.Kawamoto, K.Kadono, T.Ohtsuki et al.: "Optical transitions and frequency upconversion emission of Er^<3+> ions in Ga_2S_3-GeS_2-La_2S_3 glasses" Journal of Applied Physics. 83. 19-27 (1998)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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