研究概要 |
エストロンスルフェートはウマの妊娠中期以降にみられる特徴的なエストロジェンで、妊娠のモニター等に用いられている。今回、生体に対し、非侵襲的な材料として糞サンプルを用い、放射性物質を使用しない酵素免疫学的測定法(EIA法)による糞中エストロンスルフェート濃度の測定を行った。 方法として、マイクロプレートに抗原を吸着させ、マウスモノクローナル抗体を第一抗体として、抗マウスIgG-HRPを第二抗体として、測定した。 その結果、抗原10μg/ml、第一抗体1/20,000、第二抗体1/1000で良好な標準曲線が得られ、測定感度は5pg/wellであった。非妊娠馬および妊娠初期4ヵ月頃までは、糞中エストロンスルフェートの濃度は50ng/g前後で、妊娠中期以降は100ng/gを超え、その後妊娠末期まで増加した。EIA法による糞中のエストロンスルフェート濃度の測定は、放牧馬などの妊娠のモニターに有用と思われる。
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