研究概要 |
1.ヤツメウナギ網膜細胞に対する単クローン抗体の作製と分析 今回導入したクリーンベンチより、単クローン抗体作製時の無菌操作が従来よりスムーズに行なえるようになった。単クローン抗体は継続的に免疫組織化学によるスクリーニングが行われ、現在までに、23種類のハイブリドーマを獲得している。これらのハイブリドーマが産生する抗体は、以下のような部位に陽性反応を示した。 1)光受容細胞外節: 長光受容細胞(LPC)外節F1,A1 短光受容細胞(SPC)およびLPC外節H1 SPCおよびLPC内節C12,H7,F9 SPCおよびLPC全領域G3,G4,F9 外境界膜から内境界膜: 全領域 神経層を中心D2,D5,G3,D1,F11 外果粒層を中心A3,H6,D12,A8 網膜全領域A12,F11,E12 脈絡膜E7 色素上皮層A1 平成9年度の研究により光受容細胞外節以外にも、他の網膜構成細胞に陽性反応を示すものを多数作製することができた。 2.単クローン抗体を用いた円板膜に局在する粒子の同定 凍結割断法により網膜の形状をできるだけ保持した状態で、SDS処理フリーズレプリカ免疫標識(SDS-FRL)法を行い、単クローン抗体と膜内粒子との反応を観察した。ロドプシンを認識する抗体H16との反応では、P面に多く局在する大型の粒子とE面に散在する粒子に金コロイド粒子の付着が観察された。
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