研究課題/領域番号 |
09670603
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
松瀬 健 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (90199795)
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研究分担者 |
片山 弘文 東京大学, 医学部附属病院, 医員
岡 輝明 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (60177029)
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キーワード | ICAM-1 / TNFα / 喫煙 / BAL / Immunohistochemistry |
研究概要 |
喫煙による慢性の末梢肺組織の炎症、特に炎症組織に集積した好中球より産生されるエラスターゼは肺気腫の発症において重要な役割を担っている。本研究では喫煙による末梢肺組織の炎症の発生ならびに進展に関し、接着分子の役割について検討した。Hamburug II型の喫煙負荷装置を用いICRマウスタバコ100本/2時間負荷し、急性の喫煙肺障害動物モデルを作成し、炎症の起こり方につき経時的に観察した。さらに接着分子の役割に関して、ICAM-1モノクローナル抗体100μgをin vivoで投与し前処置を行い、その影響を肺胞洗浄液中(BALF)炎症細胞数および分画につき検討した。BALF中総細胞数は喫煙負荷後4時間より上昇を認め、12時間後に有意な増加を示し、24時間まで増加した後、48時間後には減少傾向を示した。BALF中の好中球は負荷後12時間後に最大値に達した。喫煙負荷12時間後にBALF総細胞数は12.95±0.79x10^4とコントロール3.86±0.57x10^4に比し有意に増加し、抗ICAM-1抗体前投与により7.20±1.08x10^4と有意に抑制された。また分画中好中球の著明な減少を認めた。(0.365±0.079x10^4から0.068±0.022x10^4)。同量の非特異的ラットモノクローナルIgG2a前処置にては、喫煙負荷後のBALF中総細胞数および各々の細胞分画に有意な影響を示さなかった。肺組織におけるICAM-1の発現の局在を経時的に観察したところ、ICAM-1は喫煙負荷4時間後細気管支上皮細胞に発現がみられ24時間後まで持続した。さらにICAM-1の発現を誘導するとされるTNF-αの役割に関して検討を行い、TNF-αモノクローナル抗体をin vivoにて前処置することで、喫煙負荷後の炎症の進展を抑制することが示された。以上の結果より、喫煙により肺組織にICAM-1およびTNF-αが発現すること、抗TNF-α抗体により肺胞気道系内の好中球をはじめとした炎症細胞浸潤が抑制されることが確認され、TNF-αはICAM-1の誘導を介しまたは直接的に喫煙による急性炎症に関与していると考えられた。
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