研究課題/領域番号 |
09670857
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研究機関 | 産業医科大学 |
研究代表者 |
自幡 聡 産業医科大学, 医学部, 教授 (10081712)
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研究分担者 |
河田 泰定 産業医科大学, 医学部, 助手 (10204736)
梶原 康巨 産業医科大学, 医学部, 助教授 (00161042)
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キーワード | 小児 / 新生児 / 肥満 / 血栓症易発症ラット / 川崎病 / PAI-1 / TPA / トロンボモジュリン |
研究概要 |
1.臨床的検討 平成10年度に引き続き、当科に受診した単純性肥満児を対象として、脂質系のパラメーターと共にthrombin-antithrombinIII複合体、von Willebrand因子、tissue plasminogen activator(tPA)、plasminogen activatorinhibitor 1(PAI-1)、tPA・PAI-1複合体、thrombomodulin、血小板凝集能を測定し、治療効果との関連についても検討した。その結果、単純性肥満児ではPAI-1の増加と粒子凝集法で測定した凝集能の亢進が認められ、これらの所見は治療に伴う体重減少により改善する傾向が認められた。一方、これまでの遠隔期川崎病患児を対象とした検討で、一過性冠動脈病変の既往のある例では、既往のない例に比べてPAI-1が高値であったことから、2g/kgのγグロブリンを単回投与された川崎病患児で急性期の凝固・線溶系の動態を検討したところ、冠動脈エコーで一過性の異常を合併した群ではtPAの減少とPAI-1の増加がみられたのに対して、異常を合併しなかった群では逆にtPAが増加し、PAI-1が減少する傾向が認められた。このことから線溶系の不均衡が動脈硬化あるいは向血栓傾向へのリスクファクターとなることが示唆された。 2.基礎的検討 血栓症易発症ラットでの検討で、加齢に伴う血栓助長因子のmRNA発現の増加を証明することはできなかった。しかし、ラットのtissue factor c DNAの塩基配列情報をもとにオリゴヌクレオチドプライマーおよびプローブを設計し、RT-PCR、competitive PCR、in situ hybridization法でtissue factor m RNAの発現を高感度かつ特異的に測定する方法を開発したので、本法を用いて更に検討を進めている。
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