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1997 年度 実績報告書

重粒子線に対するscid細胞の放射線感受性

研究課題

研究課題/領域番号 09670943
研究種目

基盤研究(C)

研究機関長崎大学

研究代表者

奥村 寛  長崎大学, 医学部, 教授 (00073130)

研究分担者 井原 誠  長崎大学, 医学部, 助手 (60175213)
岡市 協生  長崎大学, 医学部, 助教授 (80124874)
キーワードscid細胞 / 放射線感受性 / 重粒子線 / DNA二重鎖切断 / DNA-PK活性
研究概要

細胞はscid細胞およびscidハイブリッド細胞の培養系を用いた。scidハイブリッド細胞はscid細胞にヒト8番染色体を導入したもので、scid欠損遺伝子が回復したものである。
X線に対するscid細胞およびscidハイブリッド細胞の放射線感受性(Do値)は、0.74Gyおよび1.2Gyであり、重粒子線に対して、0.57Gyおよび0.82Gyであった。scid細胞はscidハイブリッド細胞に対して、X線で1.62倍、重粒子線で1.44倍の高い放射線感受性を示した。重粒子線照射後のscid細胞のDNA二重鎖切断を、パルスフィールド電気泳動法によって調べると、0〜1OGyの線量域について直線的に増加した。また、重粒子線照射後のscidハイブリッド細胞のDNA-PK活性は検出された。
scid細胞のX線感受性が高いことは、scid細胞がDNA-PK活性が欠損しており、DNA二重鎖切断の再結合ができないと考えられる。しかし、X線照射によるDNA二本鎖切断は、scidハイブリッド細胞より再結合の速度は遅いものの、scid細胞もDAN二本鎖切断を再結合することができる。従って、放射線によって生じるDNA二本鎖切断の再結合は、DNA-PKによるものとDNA-PKによらないものがある。この違いは、DNA二本鎖切断には二種類あることが予測される。したがって、X線と重粒子線では、二種類のDNA二本鎖切断の発生頻度が異なるために、scdハイブリッド細胞に対するscid細胞の放射線感受性の比が異なったことは、二種類のDNA二本鎖切断が存在することを結論づけるものである。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] M.Kosaka: "Heat-Shock Proteins Induced in Mammals by Whole Body Hyperthermia" Trop.Med.39(1). 7-11 (1997)

  • [文献書誌] M.Kosaka: "Heat-Shock Proteins Induced in Transient Brain Ischemia" Trop.Med.39(1). 13-17 (1997)

  • [文献書誌] 木田純久: "新しい線量評価による長崎原爆被爆者の線量推定" 長崎医学会雑誌. 72(1). 30-46 (1997)

  • [文献書誌] 井原 誠: "温熱処理によって生じるDNA鎖切断" 癌の臨床. 44(2). 225-226 (1998)

  • [文献書誌] 御園生 淳: "放射線ホルミシスの実証-新しいパラダイムを求めて-" 日本原子力学会誌. 39(7). 527-545 (1997)

  • [文献書誌] 林 靖之: "Linac radiosurgery system を用いた stereotactic radiationtherapy の試み" 癌の臨床. 43(2). 139-143 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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