研究課題
基盤研究(C)
【目的】手術検体を用いてFHIT geneの解析を行い、臨床病期、予後との相関を検討しFHIT geneの肺癌発生に対する意味を検討する.【方法】1.・肺癌手術時の腫瘍を液体窒素で凍結する.・検体からFast Track KitでPoly A mRNAを抽出する.・cDNA cycle Kitを用いてReverstranscriptase処理し、cDNAを抽出する.・FHIT geneに特異的なPCR primerでcDNAを鋳型としてPCRを行い、FHIT geneを増幅する.2.・凍結標本からSOGENを用いてRNAを抽出する.・FHIT geneを増幅する.a.PCR産物を電気泳動し、エチジウムブロマイド染色し異常バンドを検出する.b.spricing errorを同定する.3.異常の頻度と肺癌の臨床病期、予後、病理学的所見との関係を検討する.【結果】1.方法1で肺癌手術時の腫瘍を液体窒素で凍結してPCRを行ったが、FHIT geneの異常は認めなかった.2.方法2で肺癌手術時の腫瘍を液体窒素で凍結してFHIT geneの増幅には成功した.異常バンドの検出はできなかった.【考察】方法1ではPCRにてFHIT geneは増幅しなかった.検体採取方法(凍結、保存)に欠陥があり、RNAの破壊等がみられ、RNA収量が不足した事が原因と考える.方法2ではPCRにてFHIT geneは増幅しておりRNAの単離の方法は正しいと思われる.異常バンドの検出ができなかったのは、実験上のエラー(検体中の正常組織と癌細胞のpopulationの問題、腫瘍組織中の正常遺伝子が優位に検出されている)の可能性もあり、肺癌にはFHIT geneが関与しないと判断するには今後の検討を要する.更に検体数を増やし検討を行う.
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