研究課題/領域番号 |
09671826
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
大沼 直躬 千葉大学, 医学部・小児外科, 教授 (50125910)
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研究分担者 |
吉田 英生 千葉大学, 医学部, 講師 (60210712)
田辺 政裕 千葉大学, 医学部, 助教授 (10207160)
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キーワード | 神経芽腫 / 神経特異的Src遺伝子 / N-myc / RT-PCR |
研究概要 |
1. 我々が以前にS1 nuclease protection assayを行った神経芽腫28例に対し、内部標準を用いたRT-PCRを行い、3種類のsrc mRNAの発現量を定量した。この結果をS1 nuclease protection assayの結果と比較したところ、RT-PCRによる発現量とよく一致しており、本実験におけるRT-PCRの定量性が確認された。 2. 平成5年以降当教室で切除した神経芽腫32例とあわせ、60例の検体に対してRT-PCRを行い、神経特異的src遺伝子の発現を定量し、その臨床的意義を検討した。 3. 対象は、stage1が24例、stage2Aが4例、stage2Bが7例、stage3が5例、stage4が20例であった。このうち、40例が1歳未満で、32例がマススクリーニング発見例であった。N-myc遺伝子の増幅はstage4の14例に認められた。死亡症例は、12例で、全てstage4であり、このうち9例にN-myc遺伝子の増幅を認めた。 3. その結果、三種類のsrc mRNAに対するc-srcN2 mRNAの発現比率が、15%を越える腫瘍は、1歳未満・早期症例に集中しており、極めて予後が良好であることが確認された。c-srcN2 高発現腫瘍の7年生存率は、93.8%、低発現腫瘍では35.3%であった。また、c-srcN2 高発現腫瘍ではN-myc遺伝子の増幅はまれであり、c-srcN2 mRNAの高発現比率とN-myc遺伝子の増幅は逆相関することが示された。
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