本研究の第一段階として(1)実態調査のための質問紙と(2)ICUで働く看護者が抑制を行使するときの判断の根拠としているものは何かを分析するための倫理的事例と半構成の質問紙を作成し、申請者が担当する「看護倫理」受講生28名と協力が得られた現在ICUに勤務しているナース5名を対象に予備調査を行い、内容の妥当性を検討した結果、倫理を学習した 学生の多くは患者の自律(意思)を優先する行動を選択し、現役ナースは医療目的を優先する選択をする傾向があり、職業人としての‘しばり'が強く作用していることが示唆された、ICUでは「救命」が第一の優先目的とされており、看護者の判断を左右している職業意識の背景を探求するための視点が倫理的分析を行う上で不可欠であると考えた。さらに詳細な分析を行うためため、第2段階として、本年度の「看護倫理」受講生23名と当大学付属病院ICUナースに対して追加調査を実施した。また国内の500床以上でICUをもつ病院334施設に対して実態調査を実施した。現在結果の分析及び考察中である。
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