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1997 年度 実績報告書

小標本受容モデルは大標本棄却モデルより良いか?

研究課題

研究課題/領域番号 09680308
研究種目

基盤研究(C)

研究機関大阪大学

研究代表者

狩野 裕  大阪大学, 人間科学部, 助教授 (20201436)

研究分担者 原田 章  大阪大学, 人間科学部, 助手 (10263336)
吉田 光雄  大阪大学, 人間科学部, 教授 (10028334)
キーワード現実の近似 / モデルは偽 / 因子分析 / 適合度検定 / 標本サイズ / ブートストラップ法
研究概要

「標本サイズNを十分大きくとると帰無仮説は必ず棄却される」という経験則がある、有意水準αの検定は,帰無仮説H_0の下では,Nに関わらず100(1-α)%の確率でH_0を棄却しないはずである.しかしながら,標本サイズNを十分大きくとれば,ほとんどの場合H_0は棄却される.仮説H_0を棄却したければNを十分大きくとってやればよいということになり,これはデータに基づく科学的判断ではなくなる.統計解析の誤用・悪用の一例である.このような問題はほとんどの仮説検定問題で起こる.
本プロジェクトでは,モデルの適合度検定において上記問題を研究している.因子分析モデルの適合度検定は,母集団の共分散行列をΣとしてH_0:Σ=ΛΛ′+Ψ versus H_1:Σ is not restricted となる.H_0が棄却されないならばこのモデルはデータに矛盾しないと判断する.
モデルは現実の近似でありデータは対立仮説から採られているという状況を考える.有意水準αの検定においてγ(α<γ<1)を与え,次の量を定義する.
N_<α,γ>:=H_0が確率γ以上で棄却される最小の標本サイズN
N_<α,γ>は,ある意味で,モデルの帰無仮説からの距離を表している.実際,N_<α,γ>が大きければ真値は帰無仮説に近く(従って大きな標本サイズが必要になる),小さければ帰無仮説から遠いことになる.適合度検定の場合はN_<α,γ>の大小でモデルの良さを測る,すなわち,N_<α,γ>が大きければ良いモデル,小さければ悪いモデル,ということになる.現在,この指標の推定方法を研究しており,ブートストラップ法が有用な方法論を提供すると考えている.

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Kano,Y.: "Exploratory factor analysis with a common factor with two indicators" Behaviormetrika. 24(2). 129-145 (1997)

  • [文献書誌] Kano,Y.: "Beyond third-order efficiency" Sankhya. 59(2). 179-197 (1997)

  • [文献書誌] Yuan,Ke-Hai: "On averaging variables in a confirmatory factor analysis model" behaviormetrika. 24(1). 71-83 (1997)

  • [文献書誌] Aoshima,M.: "A note on robustness of two-stage procedure for a multivariate compounded normal distribution" Sequential Analysis. 16(2). 175-187 (1997)

  • [文献書誌] 狩野 裕: "不適解の原因と処理:探索的因子分析" 大阪大学人間科学部紀要. (印刷中).

  • [文献書誌] 狩野 裕: "グラフィカル多変量解析" 現代数学社, 235 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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