研究概要 |
タバコ培養細胞において、ヒト型糖鎖付加機構を創設するため、植物糖鎖構造の中で動物由来のものと比較し、欠けているガラクトース残基に注目した。まずその第一段階としてヒト胎盤由来β-1,4-ガラクトース転移酵素遺伝子を導入した。ガラクトース転移酵素遺伝子をカリフラワーモザイクウイルス(CaMV)35Sプロモーター支配下に置き、Agrobacteriumを介して形質転換したタバコBY2細胞をカナマイシン耐性で選抜した。さらにサザン法、抗ガラクトース転移酵素モノクローナル抗体によるウエスタン解析で陽性を示した株について、ガラクトース転移酵素活性を調べた。そのなかで、GT6株が最も強いガラクトース転移酵素活性を示したので、この株を今後の研究に用いた。 続いて、外来モデルタンパク質としてマウス由来のインターフェロンをタバコ培養で発現させるための発現ベクターを上記と同様にCaMV)35Sプロモーター支配下にて発現させるよう構築した。選択マーカーにはハイグロマイシン耐性能を用いて、タバコ培養細胞を形質転換した。現在までに幾つかのハイグロマイシン耐性株を取得でき、サザン法によりマウス由来のインターフェロン遺伝子がタバコ培養細胞に導入されていることを検出できた。
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