研究概要 |
ヒト由来β-1,4-ガラクトシルトランスフェラーゼ(GT)遺伝子を、Agrobacterium tumefaciensを介して植物培養細胞(タバコBY2細胞)に導入した。形質転換培養細胞GT6株を選抜し、導入した遺伝子の存在を確認した。本研究では以下の点について成果が得られた。 1) GTタンパク質 得られた培養細胞より細胞抽出液を調製し、GT活性を測定し発現を確認した。また、抗GTモノクローナル抗体でGTタンパク質を確認した。 2) 糖鎖構造の解析 タバコBY2細胞の糖タンパク質の糖鎖構造を決定し、GTの基質となる糖鎖構造が存在することを確認した。さらに、形質転換培養細胞GT6株における糖タンパク質の糖鎖構造の変化を解析し、糖鎖の末端にガラクトース残基が導入されていることをレクチンを用いて確認した。 3) 形質転換培養細胞GT6株における外来遺伝子の発現 ヒト由来インターフェロン-β遺伝子を植物細胞にて発現させることを試みたが、発現を確認できなかった。そこで、植物由来の糖タンパク質・西洋ワサビペルオキシダーゼの遺伝子を導入し、形質転換培養細胞で発現させ、レクチンを用いて、糖鎖にガラクトースが存在することを確認した。
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