神経線維腫症1型(NF1)の変異解析は、101例を対象に、PCR-SSCPに加えRT-PCRも採用した。その結果、活性部位に新たに7種の変異を同定し、内1例では、悪性神経鞘腫においてヘテロ接合性の消失を見出し、NF1が腫瘍抑制遺伝子のはたらきをもつことを臨床例から明らかにした。又、更にRT-PCRにより、5例のexon skipを見出し、内、1例は、エクソン37のナンセンス変異により、exon skipをます、非常に稀な変異であることが判明した。また、他の2例では、splice siteの1塩基置換により、1つ、または、2つのexon skipを認め、2種の変異RNAを生じることが明らかにされた。 神経線維腫症2型(NF2)では、cDNAを用いたRT-PCR-SSCP解析を行い、一卵性双生児のNF2症例にナンセンス変異(R57X)を検出し、これが本報で明らかにされたNF2変異の第1例目であった。又、NF2と臨床像の類似する多発性神経鞘腫症の患者2例について変異を検討したが変異はなく両者は異なる疾患である可能性が示唆された。
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