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1997 年度 実績報告書

小児がん患者のターミナルケアにおける患児・家族のコンプライアンスの検討

研究課題

研究課題/領域番号 09770588
研究機関久留米大学

研究代表者

稲田 浩子  久留米大学, 医学部, 助手 (90223221)

キーワードターミナルケア / 在宅ケア / 家族支援 / 死後の支援 / 小児がん
研究概要

最近の当科でのターミナル期のあり方をみてみると、急性白血病では、頻回の輸血(主に血小板)と全身管理を要することが多く、病院でのケアが主となる。それに対して、脳腫瘍、肝腫瘍などの固形腫瘍の場合、ギリギリまで自宅で過ごせるケースが増えた。4例に往診・訪問看護(一例は地域の訪問看護ステーションの協力を得た)を行い、自宅でのターミナルケアの充実をはかることができた。自宅での生活が主になると、患児達は、兄弟喧嘩をしたり、母の手作りの料理を食べ、病院では疎外感を味う事の多い父親も、早く家に帰る努力をする。また、自宅で両親が話し合える機会も増え、互いへの支援が高まる。などの多くの利点が見られた。しかし、呼吸困難や痛みなど患児の状態が悪化してくると、親の不安も強まり、患児の苦痛を取ってやれない無力感から、患児の意に反して入院を希望されたケースもあった。患児の死後、自宅での闘病が長いケースでは、患児の苦痛を共有しながら家族皆で頑張ったという充実感から、立ち直りが早い傾向があった。しかし、中には「"お母さんもよく頑張りましたね"と言われるけれど、自分が頑張れなかったから、この子が病気になって、死んでしまったのだから、その言葉は空虚に響くだけだ」という意見もみられた。この意見に象徴されるように、自分の保護下にある子どもが自分より先に亡くなることの重さは、計り知れない。また、在院・在宅にかかわらず、ターミナル期においては、患児・両親が信頼し、24時間いつでも相談ができるスタッフ(医師、看護婦)の存在が必要で、心の支えになっていた。そして、その良好な関係は、患児の死亡後も持続できた。来年度は、より細かい検討を行う予定である。

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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