研究概要 |
本研究はアミンニューロン系のストレス反応機構について、サイト力インの関与を中心に形態学的手法を用いて明らかにすることを目的とし、具体的には、まずストレス反応神経細胞分布領域を検索するために、成熟ラットに感染ストレスとして0.9%の生理食塩水に溶解したLPS投与(0、25、50、100mg/l00gbodyweight、i.p.)、情動ストレスとして拘束ストレス(30分)を施し、LPS投与60、120、180分後、及び拘束ストレス開始30、60、90分後に潅流固定し、全脳にわたるレベルにおいて抗c-FOS抗体によるABC免疫組織化学を行った。感染ストレスおよび情動ストレスによる視床下部室傍核におけるFOS結合蛋白は、その免疫陽性細胞核の発現数と分布形態においてよく似ていたにもかかわらず、大脳皮質におけるFOS蛋白発現は全く異なる分布を示した(Yokoyama and Sasaki,1999)。また、感染ストレス群および情動ストレス群において、延髄外側被蓋野および青斑核のノルアドレナリンニューロン分布領域にFOS蛋白が発現していたが、前頭前皮質に特異的に投射すると考えられるドーパミンニューロン分布領域である腹側被蓋野正中部では情動ストレス群においてのみFOS蛋白が発現していた(Yokoyama and Sasaki、投稿準備中)。また、LPSおよびサイトカイン投与、または情動ストレス時のアミン代謝回転の脳内各部位での変化について検討の準備段階としてマイクロパンチ法によるアミンとその代謝物の測定のためのHPLC-ECDシステムをたちあげた。
|