研究概要 |
1 外国人作家の作品に対する批評,新聞記事,インタビュー等のデータ・ベースの拡充作業を継続中である。その際,雑誌に掲載された記事を探索するのが困難で,そのため,データ・ベースの完成までにはまだある程度時間がかかると思われる。 また,最近,ドイツで放映されたテレビ番組を収集する手段が提供されるようになったため,映像資料の探索も開始した。 2 ドイツで提供されているデータ検索サービス(GBI)に加入し,イスラム系住民に関する過去の新聞記事や雑誌記事を収集,データ・ベース化のために整理中である。 3 レッシングの『賢人ナ-タン』に登場するイスラム教徒像について,研究文献を収集し,分析した。 4 とくに人文主義以降の「寛容」概念に関する研究文献を収集し,思想史的研究をおこなった。その結果にもとづいて,今後は,現代の外国人問題における「寛容」思想の役割について考察する。 5 3と4における研究の結果,レッシングの作品が,「寛容」の概念史において,Kofessionsstaatにおける宗派的争いを融和するための概念から,真理の相対主義を基盤とする近代的概念へと転回する画期をなしていることが判明した。
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