研究課題/領域番号 |
09F09243
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
成田 吉徳 九州大学, 先導物質化学研究所, 主幹教授
|
研究分担者 |
MAITY Annada C. 九州大学, 先導物質化学研究所, 外国人特別研究員
|
キーワード | プロトンメディエーター / 鉄ポルフィリン / 酸素還元反応 / 電極 / 燃料電池 |
研究概要 |
1.プロトンメディエーターとなるカルボキシル基を修飾した鉄ポルフィリン誘導体の合成法の確立:イミダゾール軸配位子を鉄ポルフィリンに共有結合し、酸素反応部位上方にプロトンメディエーターとしてヒドロカルボキシル基(あるいはアルコキシカルボニル基)を固定した鉄ポルフィリン誘導体の合成法を確立した。 2.プロトンメディエーターとなるカルボキシル基を修飾した鉄ポルフィリン誘導体を用いる酸素活性化反応の分光法による追跡:本研究で用いる分子触媒の規範としているヘム含有酵素における酸素活性化反応においては鉄錯体の酸素付加体の一電子還元とプロトン化によりヒドロペルオキシド鉄(III)(Compound 0)が反応中間体として生成する。本研究で用いるアルコキシカルボニル基ペンダントを有するヘム酸素付加体へ段階的な一電子還元とプロトン化により、それぞれend-on型ペルオキシヘム鉄(III)、次いでヒドロペルオキシ中間体が溶液中で選択的な生成が確認できた。従来、ペルオキシヘム鉄(III)はside-on型が熱力学的に安定とされており、極性ペンダント基を導入することによりend-on型が選択的に合成できたことは本研究で目的とする酸素活性化触媒反応にとり大きな進展である。 3.電極に分子触媒を共有結合にて固定する際に必要な複数の極性官能基を有するアンカー分子の合成:本研究の最終目的は電極上での酸素還元の分子触媒の合成であり、その遂行上からは、酸性水溶液中で導電性電極表面上に分子触媒を固定するためのアンカー分子を必要とする。そこで、各種の極性官能基を複数個有するアンカー分子へ電子移動効率を評価するためにフェロセンを結合したモデル分子を合成しその電極上への修飾と電子移動効率の評価を行った。この実験により最適化したアンカー分子は酸素還元反応分子触媒部との共有結合により酸素の触媒的還元へと展開する。
|