研究分担者 |
伊藤 太一 筑波大学, 農林工学系, 助教授 (40175203)
安仁屋 政武 筑波大学, 地球科学系, 教授 (10111361)
西田 正規 筑波大学, 歴史・人類学系, 教授 (60088549)
湖中 真哉 静岡県立大学, 国際関係学部, 助手 (30275101)
増田 美砂 筑波大学, 農林学系, 助教授 (70192747)
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研究概要 |
1.社会文化系の研究成果: 佐藤とワンディバ,そして研究協力者の菊池と菊川が,レンディーレの集落に住み込んでインテンシブな継続調査を行った。佐藤は,レンディーレの遊牧生態を明らかにするために蓄群の遊動を追跡調査して,1人あたりのラクダ所有頭数が3.2頭であり,ラクダ群の数は増加しているが個々の規模は小さくなっていることを見いだした。 生計道具類のやりとりの調査では,親族関係の枠内で女性関係を軸にして頻繁に道具類が交換されて,男性中心にやりとりされる家畜の交換関係を補完する関係網が析出された。 牧野を去って高原地帯で農業プロジェクトに参加する者が増えてきたが,このような半農半牧の農村は,町場との流通網をつくりあげると同時に,牧野においては逸脱者とみなされる多くの女性世帯を吸収する機能を担っていることも判明した。 湖中は,サンブル社会において,新たに設置された家畜市場の経済的機能を調査した牧民は,現金経済の余剰蓄積のためよりも,家畜の再生産の機会としてこの市場を利用して,伝統的な家畜交換系と現金経済系の二重経済を保持していることが明らかになった。 2.土地利用の処置:増田はタンザニアにおける森林帯と乾燥帯の土地政策を比較検討して,両者の移行帯での土地利用の重要性を見いだしている。伊藤は,ケニアにおける保護地域政策の変化を分析して,野生動物,家畜,牧野,牧民などの現状をふまえた政策転換がはかられる傾向にあることを明らかにした。 3.遊牧生態系のGIS解析:レンディーレランドに焦点をしぼって,佐藤の既発表の基礎資料から,降雨量,遊牧移動,放牧地,水場などに着目した解析モデルを構築した。こうして,佐藤,菊地,菊川などが収集した資料のGIS解析を行うめどがついた。
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