研究課題/領域番号 |
10041027
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研究種目 |
国際学術研究
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応募区分 | 学術調査 |
研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
堀 信行 東京都立大学, 理学研究科, 教授 (40087143)
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研究分担者 |
岩下 広和 東京都立大学, 理学研究科, 日本学術振興会特別研
高岡 貞夫 東京都立大学, 理学研究科, 助手 (90260786)
篠田 雅人 東京都立大学, 理学研究科, 助教授 (30211957)
知念 民雄 流通経済大学, 経済学部, 助教授 (50236808)
鹿野 一厚 島根女子短期大学, 助教授 (10226110)
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キーワード | 環境変化 / 人間対応 / 乾燥サバンナ / カメルーン / ケニア / ニジェール |
研究概要 |
アフリカのサバンナ地域を中心に3カ国において調査地域を設定し、本研究のテーマに沿ってそれぞれの地域で現地調査が実施された。 カメルーンでは、マンダラ山地カプシキの葬法にみる死者の諸相、神体山と集落との関係、集落内の土地利用などの調査から、集落の空間組織に内在する様々な物語発生装置が住民の生を脅かす環境激変へのそなえを啓蒙する役割を果たしていることが示された。 ケニア北部では、サンブルの家族が伝統的な社会・文化の枠組みの中で手持ちの社会関係をフルに活用しながら、家畜群をひいては生活を再建しようとしていること、しかしそれだけにとどまらず、新たに「家畜の商売」を始めることによって、伝統的な社会・文化の枠組みから一歩踏み出そうとしていることを知ることができた。またケニア中央部では、メルーの農耕民が1997年11月から1998年3月にかけての豪雨によって作物や土壌浸食の大きな被害を受ける一方で、洪水によってもたらされた土壌やそこに定着した新たな有用樹を活用している様子が記述できた。 ニジェールでは、降水量、自然植生、表層地質などの異なるニアメイとガヤの二地域を比較研究した結果、土壌浸食に代表される土地荒廃の進行度が両地域で異なり、また農民が開墾する際の土地や植生に対する配慮の仕方に大きな違いがあることが明らかになった。一方、土壌水分の継続観測とデータ解析から、サヘル地域の土壌水分量が降雨イベントの間隔に規定されているという特徴がとらえられ、これを踏まえて、日降水量のデータのみから土壌水分量を推定するための先行降雨指数の有効性を示した。これにより、雨量データしか得られない過去においても、土壌水分量の経年変化を議論できるようになる。
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