障害児教育分野における協力・連携関係(パートナーシップ)の形成に関する調査研究

1998 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 10041049
• 研究種目: 国際学術研究
• 応募区分: 学術調査
• 研究機関: 国立特殊教育総合研究所
• 研究代表者: 落合 俊郎 国立特殊教育総合研究所, 精神薄弱教育研究部, 室長 (00150053)
• 研究分担者: 柘植 雅義 国立特殊教育総合研究所, 視覚障害教育研究部, 主任研究官 (20271497) ; 干川 隆 国立特殊教育総合研究所, 視覚障害教育研究部, 主任研究官 (90221564) ; 志村 洋 国立特殊教育総合研究所, 視覚障害教育研究部, 室長 (80106153) ; 西 保國 国立特殊教育総合研究所, 総合企画調整官 (40290887) ; 菴谷 利夫 国立特殊教育総合研究所, 所長 (40270459)
• キーワード: 特殊教育 / パートナーシップ / 国際協力 / 個別教育計画 / リソースルーム / リソースセンター

研究概要

北米、ヨーロッパ、アジア、太平洋地域それに国際機関を訪問し、障害児分野における協力・連携(パートナーシップ)の状況について調査した。それぞれの国と機関において、協力・連携を行う法律や規則集の収集、中心となる機関の構造やそのスタッフの役割の調査、国際的な連携を調査するために国際機関(ユネスコとOECD)の活動の現状について調査した。特に参考となった点は、特殊教育諸学校の教師が障害児のための教育支援体制の調整役となり、通常の学級、特殊学級、リソースルームなと様々な場所に就学している障害児の教育的支援を行っていることが明らかになった。その組み合わせが、教師と保護者、教師と福祉関係者、教師と労働関係者など様々な組み合わせのなかで行われていた。このような協力・連帯のための協議が行われる個別教育計画作成場面に参加して、協力・連携が具体的にどのように行われているのか体験したグループもあった。
本研究所が行っているアジア・太平洋地域の特殊教育セミナー(APEID)と同様な国際的な協力関係がフランスの国立特殊教育研究所で行われていた。各国に一人づつ固定した代表者を置く方法は、今後のAPEIDセミナーにも参考となるであろう。さらに、ドイツでは、養護・訓練学校から教師が通常の学校に出向き教育的支援を行っていた。現在日本で議論されている特殊教育諸学校のリソースセンター化にむけて大変示唆に富んだ資料が得られた。更に研究者間の協力・連携のためにドイツと韓国の大学において講義を行い、国際協力・連携を行い、特にドイツケルン大学特殊教育学部との研究協力協定を結び、本研究所とケルン大学との学術的パートナーシップを構築した。

研究成果

• [文献書誌] 落合 俊郎 他: "個別教育計画とハウスアダプテーションに関する研究I-重度・重複障害児の個別教育計画の課題-" 第13回リハエ学力カンファレンス講演論文集. 131-134 (1998)
• [文献書誌] 落合 俊郎 他: "個別教育計画とハウスアダプテーションに関する研究I-研究の目的とその背景-" 日本特殊教育学会第36回大会発表論文集. 562-563 (1998)
• [文献書誌] Toshio Ioya: "Retrospective and Prospective of Special Education in Japan for the 21^<st> Century" The 16th Annual Seminar & International Symposium on Special Education and Rehabilitation Science Becent Trends and Future Prospects and Rehabilitation, Teagu University, Korea.29-38 (1998)
• [文献書誌] 肥後 祥治,落合 俊郎,西 保國: "途上国における障害児者支援の方法論に関する視察-タイ・インド" 世界の特殊教育,国立特殊教育総合研究所. XIII. 1-8 (1999)
• [文献書誌] 干川 隆,志村 洋: "保護者,本人,専門家の協力・連携関係を促す-手段としての個別教育計画(IEP)-アメリカ合衆国(ミネソタ州)でのIEPの実際-" 世界の特殊教育,国立特殊教育総合研究所. XIII. 9-15 (1999)
• [文献書誌] 武田 鉄郎: "オーストラリアニューサウスウェルス州における特殊教育" 世界の特殊教育,国立特殊教育総合研究所. XIII. 16-26 (1999)