研究課題/領域番号 |
10041092
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研究種目 |
基盤研究(B)
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応募区分 | 一般 |
研究機関 | 政策研究大学院大学 |
研究代表者 |
山根 裕子 政策研究大学院大学, 政策研究科, 教授 (70200772)
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研究分担者 |
瀬領 慎吾 滋賀大学, 経済学部, 助教授 (90192624)
泉水 文雄 神戸大学, 法学部, 教授 (50179363)
米丸 恒治 立命館大学, 法学部, 教授 (00202408)
宮井 雅明 立命館大学, 法学部, 助教授 (70273159)
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キーワード | 規制改革 / 政府の市場介入 / 独立規制機関 / 行政改革 / 競争政策 |
研究概要 |
1999年度は、EU加盟国(イギリス、フランス、ドイツ、オランダ)、米国及び日本で、規制改革と競争の発展について調査し、そこで生みだされた新しい制度について比較検討した。 とくに、電信電話、電力及びガス、運輸(航空、鉄道)の分野でどのような競争促進方法がとられているかを比較し、セクター別の異なる事情および競争法の適用について解明した。 具体的には次のような方法で調査・情報交換をおこない、共同研究と討論の機会を設けた。 ・6月は米国司法省国際局のシェムトフ氏に規制緩和と競争についてのセミナーを依頼した。 ・7月は米国連邦取引委員会でこの問題をとりあつかい、OECDで各国比較を行っているMichael Wise氏を招へいし、上記テーマについて一連の講演を依頼した。 ・韓国競争法の専門家、本城昇氏(公正取引委員会OBで現在埼玉大学経済学部教授)に、韓国と日本の規制緩和の比較について講演を依頼した。 ・滝川敏明(富山大学経済学部教授)に、ネットワーク産業の特殊性と競争法適用の国際比較資料を依頼し、研究会を開催した。 研究の代表者及び分担者はそれぞれ、欧州、アメリカでデータを収集し、論文としてまとめた。瀬領と山根は、日本の規制産業分野での規制改革と競争導入方法について研究成果を英語でまとめ、ヨーロッパの雑誌に掲載を予定している。 ・泉水はドイツで特にエセンシャルファシリティーの使用、例えば電力の送電ネットワークへのアクセス問題に対する競争法の適用について研究した。 ・宮井と山根はとくにアメリカ、イギリス、フランス、ECレベルでの規制産業の自由化方法と独立規制機関の研究をし、これらの国の競争当局およびOECD、WTO、IEA等国際機関による調査結果を検討した。 これらの比較研究は、規制当局、独立規制機関(例えばイギリスのOFTEL、OFGEM、アメリカのFCC、FERC)及び競争当局の間で役割分担に関する問題を提起し、2000年度の研究方法に指針を与えることになった。規制制度と競争政策は、各国の歴史および社会的な背景と複雑な関係にあり、さらに探求すべき分野として認識された。
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