研究課題/領域番号 |
10042002
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研究種目 |
国際学術研究
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
冨士 薫 京都大学, 化学研究所, 教授 (20027056)
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研究分担者 |
趙 勤実 中国科学院, 昆明植物研究所, 助教授
孫 漢董 中国科学院, 昆明植物研究所, 教授
横井 利夫 神戸学院大学, 薬学部, 教授 (50122255)
川端 猛夫 京都大学, 化学研究所, 助教授 (50214680)
田中 圭 静岡県立大学, 薬学部, 教授 (50093266)
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キーワード | 中国産植物 / 成分研究 / 抗腫瘍活性 / 伝承民間薬 / タキソール / 構造解明 / 核磁気共鳴法 |
研究概要 |
中国科学院昆明植物研究所の協力を得て中国における民間薬の情報とそのルーツとなる植物の調査、並びに分布、生育状況の調査を行なった。イチイ科に関しては代表的な中国産の種であるTaxus chinensis,Taxus chinensis ver.maireiとTaxus yunnansisに関する化学的研究を続行し、天然由来の新規癌治療薬の発見、開発、並びに有効な制癌活性を持つtaxol類縁体の量的確保の解決を検討した。他の研究対象として中国伝承薬の原植物でもある燈盧花、Erigeron breviscapus,さらには米国NCIによってそのエキスの抗腫瘍活性が注目されているCupressus torulosa D.Don(Cupressaceae)、そして中国では抗ガン作用があると伝えられている民間薬の原植物であるIsodon(Rabodosia)yunannisisを取り上げた。 Erigeron breviscapus植物は中国雲南省昆明近傍にて、Cupressus torulos D.Don(Cupressaceae)は同省蔵柏、Isodon(Rabodosia)yunannisisは萠江にて植物採集を完了した。 植物成分として単離した既知化合物は標品と同定し、新化合物については核磁気共鳴法等のスペクトル的手段を用いて構造決定を行なった。Taxus chinensisnからは新骨格のジテルペノイドの単離と量的確保を行い、化学変換による抗腫瘍活性が期待される化合物への変換を進行中である。 Erigeron breviscapusについては成分単離と構造決定をほぼ終了し、活性試験につき検討中で、13種以上の化合物が単離され、そのうち一種が新化合物であった。4種の化合物については本属の植物からの単離は最初であった。
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