研究課題/領域番号 |
10044010
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研究種目 |
国際学術研究
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応募区分 | 共同研究 |
研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
窪薗 晴夫 神戸大学, 文学部, 助教授 (80153328)
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研究分担者 |
ITO Junko カリフォルニア大学, サンタクルズ校言語学科, 教授
MESTER Armin カリフォルニア大学, サンタクルズ校言語学科, 教授
原口 庄輔 筑波大学, 現代語・現代文化学系, 教授 (50101316)
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キーワード | 言語理論 / 最適性理論 / 日本語 / 音韻論 / アクセント / 音韻構造 / 音声素性 / モーラ |
研究概要 |
本研究は、言語を制約の体系として捉えようとする最適性理論(Optima1ity Theory)という新しい言語理論の枠組みにおいて日本語の音韻構造を考察し、日本語の普遍的特性と個別的特性を言語理論・対照言語学の視点から明らかにする一方で、日本語の研究が言語理論の発展にどのように貢献できか検討することを、主たる目的としている。具体的には、音声素性、音節、アクセント、イントネーションの4つの言語現象を最適性理論の枠組みで分析し、それぞれの現象のどの部分が普遍的特性であり、どの部分が言語個別的特性であるかを明らかにする。 今年度はおもに音節構造とアクセント及びレキシコン(語彙構造)について研究を行った。音節構造については、日本語においてモーラと音節がそれぞれどのような役割を果たしているかを明らかにし、短縮語形成などにおいて非語末性制約(nonfinality)という形で音節が日本語の記述に不可欠な役割を果たしていることを明らかにした。また、この非語末性制約が複合語アクセントをはじめとするアクセントの現象にも重要な役割を果たしていることを考察した。レキシコンについては、これが階層を成しており、日本語の音韻現象が語種に対して示す違い(たとえば和語や漢語の間の違い)が制約という概念によって簡潔に表せることを示した。 これらの研究と並行して、第1回研究打ち合わせ会議を開催し、音節と素性構造に関する研究の成果を報告・討議しながら、共通する問題点と今後の主要課題を明らかにした。同会議においては、 「最適性理論」の提唱者であるAlan Prince教授(アメリカ・ラトガーズ大学)から直接、最適性理論の現状と今後の具体的課題、日本語分析の際の問題点について学んだ。
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