研究課題/領域番号 |
10044050
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研究種目 |
国際学術研究
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応募区分 | 共同研究 |
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
八木 駿郎 北海道大学, 電子科学研究所, 教授 (30002132)
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研究分担者 |
NELSON Keith マサチューセッツ工科大学化学科, 教授
笠原 勝 北海道大学, 電子科学研究所, 助手 (30001697)
辻見 裕史 北海道大学, 電子科学研究所, 助教授 (20113673)
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キーワード | 相転移 / 可干渉性フォノン励起 / フォノン / 位相マスク / ヘテロダイン検波 / 超短パルスレーザー / ゆらぎ / ダイナミクス |
研究概要 |
本研究計画の目的は相転移のダイナミクスを解明するための新しい実験方法として、可干渉性フォノン励起法を確立することにある。それは相転移に於ける素励起の不安定化過程を解明するために、ピコ秒あるいはフェムト秒の超短パルスレーザーを用いて人為的に可干渉性フォノンを励起し、その伝播・減衰等の実時間依存性を高精度に観測する新しい実験方法である。 本研究計画がスタートする平成10年度においては、共同研究者(K.A.Nelson教授,MIT)の招聘と研究代表者の派遣により向こう2カ年にわたる研究計画の策定が行われ、まず(1)通常の2光束干渉法にパルス検出を適用した場合の可干渉性フォノンの励起とその最適信号強度 検出の条件の検討し、続いて(2)光学位マスクを用いた干渉励起法にヘテロダイン検出を併用した場合に於ける最適信号強度を得る条件の検討を行い、最終的に(2)実際の相転移の例に検討結果を検証する、3段階からなる具体的実行プログラムを計画した。 現在この第1段階が終わり第2段階の途中である。通常の方法(2光束干渉法にパルス検出)に比べて第2段階で検討している光学位相マスクを用いる方法はヘテロダイン検波の有利性とも合わせて極めて高いS/N比を示すことが明らかになりつつある。現在この方法のもっとも基礎的な実験段階は終わり、光学位相マスクのグループ間隔を変えることで励起される可干渉性フォノンの波数を変えることができるので、相転移に於ける波数に依存するゆらぎのダイナミクスの研究に適していることが示されている。すでに今年度を終える段階で、(1)で述べた通常の方法を用いていくつかの成果を上げることが出来た。
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