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1999 年度 実績報告書

可干渉性フォノン励起法の確立-相転移研究の新しい方法として-

研究課題

研究課題/領域番号 10044050
研究機関北海道大学

研究代表者

八木 駿郎  北海道大学, 電子科学研究所, 教授 (30002132)

研究分担者 笠原 勝  北海道大学, 電子科学研究所, 助手 (30001697)
辻見 裕史  北海道大学, 電子科学研究所, 助教授 (20113673)
キーワードフェムト秒パルス / ピコ秒パルス / レーザー / フォノン / 相転移 / フォノン励起 / ISRS / ISBS
研究概要

2年間にわたる本研究によって、目的であった相転移のダイナミクスを解明するための新しい実験手法として可干渉性フォノン励起法を実験的に確立し、それを幾つかの相転移の例に応用してダイナミクスの解明を図ることができた。本研究によって特に相転移における不安定化過程を本質的に記述する素励起(ソフトモード)の人為的励起と、その伝播・減衰等ダイナミクスの実時間依存性の高精度観測が、励起パルスと検出プローブの制御に光学位相マスク(光学干渉格子)とヘテロダイン検波法によるシグナル検出を適用することで実験システムの大幅な改良が達成できた。これにより様々な種類の相転移のダイナミクスの解明が出来、相転移研究に新しい展開をもたらすことが出来た。
具体的な成果は、1,強誘電体KDPにおけるB_2分極モードの実時間観測から、そのソフトモードは相転移温度から十分離れた領域においても単一指数関数で良く表される時間依存性をもつことが明らかになった。これはKDPの相転移機構に緩和型(秩序無秩序型)の機構があることを解明したことである。 2,強誘電体LiNbO3におけるポラリトン分散関係を精密に解明し、従来報告されていた7THz以下の振動数領域における数個の共鳴周波数の存在を否定した。この結果、本研究で確立された可干渉性フォノン励起法は、微小波数領域におけるダイナミクスの解明に特に優れた性能を発揮することが明らかになった。 3,強誘電体TGS、液体-ガラス転移物質ソルビトールにおける転移点近傍で熱励起緩和モードの測定を行い、それぞれ特徴あるダイナミクス、前者においてはセントラルピークの物理的起源、後者では特定波数のモードがガラス転移温度に向かって成長することを緩和時間の極大温度の波数依存性から結論した。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] S. Yoshioka: "The B_2 Polariton Mode in KDP Studied by Impulsive Stimula・・・"Journal of the Physical Society of Japan. 67・7. 2178-2181 (1998)

  • [文献書誌] S. Yoshioka: "A single exponential time decay of the ferroelectric mode ・・・"Solid State Commun.. 106・9. 577-580 (1998)

  • [文献書誌] Y. Tsujimi: "Anisotropic themal relaxation dynamics in TGS ・・・"Journal of the Physical Society of Japan. 67・5. 1509-1512 (1998)

  • [文献書誌] T. Watanuki: "Polariton dispersion of LiNbO_3 studied by Hetero ・・・"Journal of Korean Physical Society. 35. S1400-S1403 (1999)

  • [文献書誌] M. Kobayashi: "Time-resolved spectroscopic study of Characteris ・・・"Journal of Korean Physical Society. 35. S1331-S1334 (1999)

  • [文献書誌] Y. Tsujimi: "Physical origin of the dynamical central ・・・"Physical Review B. 59・1. 28-31 (1999)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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