| 研究概要 |
本年度は,昨年度の研究作業を継承しつつ,調査内容を深化させた。
1 哈爾濱市,阿城市を対象として実地調査を行った。哈爾濱と阿城の都市住民に対して行ったアンケート調査では,近年における住民の意識や生活環境の変化を追跡し,都市の現況とその問題点,及び都市と農村の間の有機的関係を探った。
2 家族に関する調査を実施した。調査地点は,哈爾濱郊外の昌五鎮,阿城市,阿城郊外の交界鎮である。この調査を通じて,関内(山東,河北)から当地への移住状況,農村における社会関係の特徴,また,鎮の中心町と農村との関係,更に阿城,哈爾濱のような大きな都市と農村との関係,を把握することができた。
3 哈爾濱市に在住する中国人,日本人が,日本及び日本語に対してどのような考え,イメージを抱いているのかを探るために,中国語,日本語による調査を実施した。
4 この他,長春の調査を通じて,長春と哈爾濱との都市間ネットワークの現状を探り,また,旧満州時代の文化の問題を検討した。
5 哈爾濱師範大学の共同研究員を招聘してシンポジウムを開催し,中国東北部の現代化の状況,日本(とくに青森県)と中国の社会との相違などの問題に関して討論を行った。
6 学内の定例研究会では,旧満州時代における哈爾濱の都市の景観,国有企業改革の現状に関して,報告がなされた。
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