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1998 年度 実績報告書

アジア太平洋地域の情報・社会変動における米国の位置と役割

研究課題

研究課題/領域番号 10201205
研究種目

特定領域研究(B)

研究機関東京大学

研究代表者

庄司 興吉  東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (30061203)

研究分担者 町村 敬志  一橋大学, 社会学部, 助教授 (00173774)
吉見 俊哉  東京大学, 社会情報研究所, 助教授 (40201040)
吉野 耕作  東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 助教授 (50192810)
キーワードアメリカ社会 / 情報ハイウエイ / 金融と世界市場 / 砂時計型の階層構造 / アジア太平洋社会 / アメリカニゼーション / アジアのエスニシティ / 多言語・多文化と情報共同体
研究概要

現代アメリカの社会とそのアジア太平洋地域にたいする影響を、情報社会化を基礎とする社会変動の面から解明することを目指した。
1970年代後半のアメリカは、ヴェトナム戦争に敗北し、経済的にも不況で、沈滞気味の社会であった。80年代に入って共和党政権になり、最初は対ソ強硬路線を取ってSDI構想を展開するなど世界を心配させたが、この間に金融面から世界市場を支配して富を呼び寄せるようになり、冷戦の終結もあって90年代の民主党政権のもと世界最強の社会として復活してきた。その過程での決め手となってきたのが情報化である。しかしこの過程で同時に、アメリカ社会の階層分解が進み、砂時計(瓢箪)型の構造になってきた。また、不平等の拡大を防止するための情報ハイウェイの建設やネットワーク化の推進が、現実にそれだけの効果を上げているかについても、問題点が指摘されている。
さらに、アジア太平洋地域の諸社会に、アメリカの金融・情報支配の影響がどのように現れてきているのかも検討した。この地域のアメリカニゼーションの歴史は古いが、それが情報社会化の進展とともにどのように変わってきているか、そのような変化のなかからアメリカニゼーションを越えて新しい社会を創造していく動きが現れてきていないか、などの諸問題を柔軟な視点から解明しようとしている。日本社会のアメリカニゼーションについての研究を、東アジアから東南アジアの諸社会全域に広げ、エスニックな同質性の高い日本社会には出ていなかったような新しい動向が、多言語・多文化性のいちじるしく高いアジア・太平洋地域に現れていないかどうかの検討にも入った。
研究の大きなフレームができてきたので、文献資料などのさらなる検討や海外調査などをつうじて論点を解明していき、全体像を形成していくことがこれからの課題である。

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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