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2002 年度 実績報告書

アジア太平洋地域の情報・社会変動における米国の位置と役割

研究課題

研究課題/領域番号 10201205
研究機関東京大学

研究代表者

庄司 興吉  東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (30061203)

研究分担者 町村 敬志  一橋大学, 大学院・社会学研究科, 教授 (00173774)
矢澤 修次郎  一橋大学, 大学院・社会学研究科, 教授 (20055320)
古城 利明  中央大学, 法学部, 教授 (70055185)
吉見 俊哉  東京大学, 社会情報研究所, 教授 (40201040)
吉野 耕作  東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 助教授 (50192810)
キーワード情報化 / 情報主義 / 新帝国 / コンピューター・ネットワーク / グローバル・メディア / 英語の地域化 / アメリカ化 / 新しいライフスタイル
研究概要

昨年度までの研究を、データの整理と理論的検討の成果をふまえて、最終的にまとめ上げた。詳細は総括班のニューズレターに発表されるが、概要は以下のようである。
1)アメリカにおける情報化の進行と新帝国化の危惧:1980年代から90年代にかけて、アメリカは情報化を機軸に復活し、世界に大きな影響を及ぼすようになってきた。情報化の一方の軸は、コンピュータの開発と世界への普及であり、この基礎に資本主義を越える「情報主義」の形成があった、という説も現れている。他方、もう1つの軸はグローバルメディアの生成と展開で、国際ケーブル・ニューズ・ネットワーク(CNNI)はアメリカ的放送環境のなかから生まれ、いまや世界のニュース放送を支配するまでになった。これら情報化の面からの支配をふまえて、アメリカは21世紀にかけて一国主義的行動をとることが多くなったので、「新しい帝国」の出現を危惧する声が高まっている。
2)アジア太平洋地域における情報化の進展と文化・社会変容:以上の影響下で、アジア太平洋地域にはコンピュータ・ネットワークが形成され、グローバルメディアが普及して、国際語としての英語の質が地域的に変化したり、人間の身体観に変化が生じたりしている。この地域のアメリカ化は戦前からのものだが、戦後の冷戦期間中に「基地」と「消費」が分離され、とくに日本本土で肥大した「消費」が、いまや情報化と結びついて中国にも浸透しつつある。アメリカ化は、生活と意識のレベルに至るまでのアメリカの支配を意味するが、そこから同時に、それを越える新しいライフスタイルも現れようとしている。
3)世界システムのなかのアメリカ・アジア太平洋と近代化の帰趨:これらを総合すると、アメリカ・アジア太平洋には世界システムの一環としてのUSセントリック・システムが形成され、そのなかで西洋に発した近代化の行方が問われているといえる。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] 庄司 興吉: "Japanese Society"International Society for Educational Informationから出版されているパンフレット. 1-63 (2002)

  • [文献書誌] 矢澤 修次郎: "ネットワーク社会化と紛争形態の変化"IT革命と安全保障(平成13年度外務省委託研究報告書). 66-78 (2002)

  • [文献書誌] 武川 正吾: "グローバル化と福祉国家--コスモポリタニズムの社会政策のために"国際社会5 グローバル化と社会変動. 12-17 (2002)

  • [文献書誌] 武川 正吾: "グローバル化段階の福祉国家"福祉国家の変貌--グローバル化と分権化のなかで. 72-90 (2002)

  • [文献書誌] 山田 信行(武川正吾と共著): "現代社会学における歴史と批判(上)--グローバル化の社会学"東信堂. 245 (2003)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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