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1998 年度 実績報告書

癌制御をめざしたMolecular Based Surgery体系の確立

研究課題

研究課題/領域番号 10307028
研究種目

基盤研究(A)

研究機関大阪大学

研究代表者

門田 守人  大阪大学, 医学部, 教授 (00127309)

研究分担者 永野 浩昭  大阪大学, 医学部, 助手 (10294050)
有吉 秀男  大阪大学, 医学部, 助手 (60294055)
中森 正二  大阪大学, 医学部, 助手 (70294080)
冨田 尚裕  大阪大学, 医学部, 助手 (00252643)
塩崎 均  大阪大学, 医学部, 助教授 (70144475)
キーワード進展度診断 / 遺伝子診断 / 微小転移 / 外科手術 / 再発
研究概要

遺伝子ベルルで癌の進展度を把握する目的で、癌進展度指標として最も重要であるリンパ節転移診断の可能性を検討した。まず、癌遺伝子K-rasや癌抑制遺伝子p53の遺伝子変異が高率に認められる大腸癌及び膵癌において、これら遺伝子変異の検出を指標とした微小リン八゚節転移検出の可能性の検討を行った。その結果、癌の実際の臨床例において、病理組織学的に転移が認められないリンパ節においてもこれらの遺伝子変異が検出され、微小転移存在の可能性が示唆された。さらに、これらの遺伝子変異が検出されない症例では、術後1から4年の経過観察の間において再発例を認めず、リンパ節転移遺伝子診断の進展度診断としての重要性が示唆された。また、K-ras遺伝子変異検出が膵癌患者血清中遊離DNAにおいても可能であることを見いだし、遺伝子変異検出例は高度進行癌であることを明らかにした。しかしながら、K-rasやp53遺伝子変異の検出率が低い食道癌、胃癌、乳癌、肝癌、胆管癌等では、遺伝子診断の指標としてK-rasやp53遺伝子が利用しがたいため、上皮細胞分子マーカーであるサイトケラチン遺伝子、臓器特異的なAFP(α-fetoprotein)、腫瘍特異的抗原とされるMAGE遺伝子の発現性を指標としたリンパ節中の微量癌細胞の検出の可能性を検討した。その結果、単一の遺伝子指標のみでは原発腫瘍におけるこれら遺伝子発現の検出率が低いものの、これらを複数を組み合わせた場合は、ほぼ100%の場合に癌細胞検出の指標として利用可能であることを見いだし、この手法を用いることにより、病理組織診断によっても転移を認めなかったリンパ節における微小転移巣存在診断の可能性を見いだした。さらに、これら遺伝子発現の検出が流血中や開腹手術における腹腔内洗浄細胞液中における癌細胞検出法として応用可能かを検討した。その結果、遺伝子増幅の程度や手技的な問題はあるものの、検出法の統一を図り、感度を一定とした場合は、診断結果が偽陽性となる可能性も低く、臨床応用が可能であることを見いだした。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Yamada T.: "Detection of K-ras Gene Mutations in Plasma DNA of Patients with Pancreatic Adenocarcinoma : Correlation with Clinicopathological Features 1." Clin.Cancer Re.4. 1527-1532 (1998)

  • [文献書誌] Aihara T.: "Allelic Imbalance of insulin-like Growth Factor II Gene Expression in Cancerous and Precancerous Lesions of the liver" Hepatology. 28(1). 86-89 (1998)

  • [文献書誌] Imamura H.: "Rho and Rob small G proteins coordinately reorganize stress fibers and focal adhesions in MDCK cells" Mol.Biol.Cell.9. 2561-2575 (1998)

  • [文献書誌] Ohnishi T.: "Identification of a Novel Gene Marker Specific for Epithelial Cells by Utilizing a 3'-directed cDNA Library" Cancer Res.58. 2440-2444 (1998)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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