研究課題/領域番号 |
10410025
|
研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
鹿取 廣人 帝京大学, 文学部, 教授 (80012300)
|
研究分担者 |
中沢 仁 帝京大学, 文学部, 講師 (60246006)
永瀬 英司 帝京大学, 文学部, 助教授 (30217997)
藤崎 春代 帝京大学, 文学部, 助教授 (00199308)
山本 豊 帝京大学, 文学部, 助教授 (40134423)
深田 芳郎 帝京大学, 文学部, 教授 (50199163)
|
キーワード | 信号処理・崩壊 / 図形認知 / 語音認知 / 情報処理行動 / 時間分解能 |
研究概要 |
本研究では、先行研究「信号/記号の処理・産出行動の成立と崩壊-主体の働きかけがどのように情報を作り上げるか?-」の研究成果をふまえて、視覚的、聴覚的信号処理の過程と記号系活動の成立および崩壊の様相を種々の制限条件下で実験的検討を行ない、その際の主体の関わり方を分析することを目的とする。本研究では、筆者らの先行研究に加えて、以上の実験を通して信号刺激処理と記号系活動の成立・崩壊の機序についての当面の結論を得ることによって、試論的な信号/記号系の処理過程の仮説モデルを得ようとした。そこで、先行研究に引き続き、動物、ヒトの幼児、健常成人、脳損傷者・児を被験対象としてそれぞれの行動水準に応じて信号刺激を段階的に変化させて、主体の側の能動的操作が可能な課題状況を設定して、実験的検討を行なおうとした。 1) 先行研究に用いられた刺激呈示装置の機構を改善し、信号刺激産出状況について、弁別刺激の種類による差異を調べるために、ラットを用いた動物実験によりデータを収集し、さらに、脳損傷児の療育的訓練の過程に信号刺激産出状況を組み込み、信号/記号系活動の活性化がはかられた。 2) 視野を制限した観察窓を自ら操作して広い画像全体を能動的に探索する条件(能動条件)での探索の時間的・空間的経過を分析し、探索の仕方と収集・統合された画像情報との関連が得られた。また受動的刺激呈示条件での結果と比較を行ない、受動条件が能動条件に比して画像情報統合化が不十分であることが示唆された。 3) 一連の実験的分析に引き続き、(1)時間分解能や周波数弁別ではほとんどnormalであること、但し非言語音系列の同定では無意味音節系列の場合と同じく劣る可能性があること、(2)また視覚呈示と聴覚呈示の組み合わせ呈示では音韻保持による記憶負荷がmodality-nonspecificである可能性があることなどが示唆されている。
|