研究課題/領域番号 |
10410079
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
棚橋 訓 慶應義塾大学, 文学部, 助教授 (50217098)
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研究分担者 |
武井 秀夫 千葉大学, 文学部, 教授 (50226982)
須藤 健一 神戸大学, 国際文化学部, 教授 (10110082)
松園 万亀雄 東京都立大学, 人文学部, 教授 (00061408)
栗田 博之 東京外国語大学, 外国語学部, 教授 (30186506)
松井 健 東京大学, 東洋文化研究所, 教授 (50109063)
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キーワード | 性の民族誌 / セックス / ジェンダー / セクシュアリティ / 比較民族誌 / 性行動 / 性言説 / 性の多様性 |
研究概要 |
昨年度の研究成果を引き継ぎ、これを更に発展させるかたちで、本年度前半は特に「婚外性交渉」に関する共同討議を実施した。なお、本研究代表者と研究分担者は、日本民族学会第33回研究大会(平成11年5月30日、於:東京都立大学大講堂)において、学会指定シンポジウム『社会を越える性?-「婚外性交渉」を問いなおす』を組織し、「婚外性交渉」をめぐる共同討議の成果を学界内外に向けて公表した。このシンポジウムでは「婚外性交渉」に関する事例の多様性を検討し、これを足がかりとして「性と社会の関係性」を把握する手法と視座の重要性を提唱し、さらに、婚姻内制度の特質のみを取り上げて性現象を全体化するような旧来の文化人類学的手法の再考を促した。と同時に、性について調査し、記述し、分析することは幾重もの困難や危うさを伴うが、性の問題を問い続けることの重要性を提言した。 本年度後半からは、共同討議の対象を第三世界の人口移動、都市化、高齢化等々の社会変容の諸側面と性現象の関連性の解明に移し、事例検討と共に理論的検討を実施した。その結果、性現象の変容を基軸に据えて社会編成のダイナミズムを理論化していくことが可能であろうという研究の方向性を確立することができた。これに関わって、長期的な時間軸をも視野に入れて人間の性現象を捉えることを考慮し、理論考古学や形質人類学分野の研究者との情報・意見交換も頻繁に行なった。その成果の一部は、研究代表者が京都大学霊長類研究所共同利用研究会第29回ホミニゼーション研究会『性の先史学』(平成12年3月17日、於:京都大学霊長類研究所大会議室)において、「男と女の二元論を越えて-ジェンダーの多元性の問題」と題して公表した。
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