研究課題
基盤研究(B)
研究目的である、現行会社法(および民法等の関連法規)が、渉外関係の視点から見た場合にどのような問題点を含んでいるかを検討するため、本年度は、(1)ドイツ、アメリカ等の関係文献の調査、(2)それを踏まえ、研究代表者・研究分担者が、渉外弁護士・会社実務家をまじえた研究会で報告する、(3)1998年3月中に研究代表者および研究分担者の一部が行った海外(ドイツ、フランス)調査の結果のとりまとめ、の三つを行った。(1)(2)としてとり上げたトピックでは、「社債管理会社の設置強制規定の適用範囲」に関し、同規定は公法と見るべきであるとの見解、「法人格否認の法理の準拠法」に関し、ドイツの一部学説には原告に有利な法を準拠法とする傾向があるごとに対する批判的見解、「国際法上の株主の保護」に関し、国際司法裁判所判決の整合性の説明、「会社の内部関係に関する法人従属法の適用範囲」に関し、本当に関係者間に一律の解決が要求される事案か否かを厳格に考えるべきであるとの見解等が示された。(3)に関しては、ドイツ等で通説である本拠地法説を文字どおり適用した場合に生ずる「法人格が認められない」結果は、通商航海条約の適用または転致等さまざまな形で実際は回避されること等が調査結果として報告された。
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