研究課題/領域番号 |
10440030
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
長井 英生 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 教授 (70110848)
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研究分担者 |
亀山 敦 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助手 (00243189)
中村 佳正 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 教授 (50172458)
亀高 惟倫 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 教授 (00047218)
白川 浩 東京工業大学, 社会理工学研究科, 助教授 (10216187)
高信 敏 金沢大学, 理学部, 助教授 (40197124)
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キーワード | リスク鋭感的確率制御 / ベルマン方程式 / シュレーディンガー作用素 / エルゴード型確率制御問題 / 粘性解 / 特異極限 |
研究概要 |
1. リスク鋭感的確率制御問題では、値関数が常に有限値をとるとは限らず、それが発散しないための条件、すなわち、問題が崩壊しないための条件をしることが、まず重要となる。この、リスク鋭感的確率制御問題が崩壊しないための条件を、リスク鋭感的バラメーターの大きさに関する条件として求め、その条件の下で対応するベルマン方程式の解の存在を有限時間範囲でまず求めた。ここでは変分法による解の評価方法に関して著しい進展が得られた。 2. 次に、上の条件の下で、エルゴード型ベルマン方程式を考察し、ある特別な場合にシュレーデインガー作用素の固有値問題と関連づけることにより、解の存在、および一意性を求めた。ここでは、減価型ベルマン方程式を媒介として、その極限としてエルゴード型方程式を考える方法を採用した。 3. さらに、エルゴード型ベルマン方程式の特異極限として得られる1階の偏微分方程式を上の解の極限として求め、この方程式の解の一意性に関する有力な結果を得た。また、特異極限方程式が解の一意性をもたない、ある特別な場合に上の特異極限として得られる解を変分学的方法による特徴づけを行った。その証明に際し、エルゴード型確率制御問題に関するベルマン原理の証明を与えたことが基本的であった。 4. シュレーデインガー作用素に対するTrrotterの積公式のLp作用素ノルム、およびトレースノルムに対する評価を与えた。 5. ヒストリカルデータを下にした最適ポートフォリオが漸近的にモデルパラメータについての情報量がない状況の下でのベイズ最適解と一致することを示した。
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