研究分担者 |
白川 浩 東京工業大学, 理財工学研究センター, 助教授 (10216187)
関根 順 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 講師 (50314399)
会田 茂樹 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助教授 (90222455)
高信 敏 金沢大学, 理学部, 助教授 (40197124)
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研究概要 |
1.リスク鋭感的確率制御問題では、値関数が常に有限値をとるとは限らず、それが発散しないための条件、すなわち、問題が崩壊しないための条件を知ることが、まず重要となる。この、リスク鋭感的確率制御問題が崩壊しないための条件を、リスク鋭感的パラメーターの大きさに関する条件として求めて、その条件の下で、エルゴード型ヘルマン方程式を考察し、ある特別な場合にシュレーディンガー作用素の固有値問題と関連づけることにより、解の存在、および一意性を求める結果を前年度に得ていた。その際、仮定した非線型項の条件を改良して、より広い対象に適用可能となる結果を得た。 2.リスク鋭感的確率制御の数理ファイナンスヘの応用として、ファクターモデルに対するポートフォリオ最適化問題に関して,部分情報しか得られない場合を考察し、最適ポートフォリオを明示的に与える結果を得た。 3.各株式の収益率過程が従う確率微分方程式のパラメータが未知であるもとで,どのように動的ポートフォリオを制御すれば,推定誤差を考慮した望ましい期待効用最大化ポートフォリオが構築できるのかを検討した.結果として,ユニバーサルポートフォリオとよばれる制御法により,未知パラメータの推定を伴う連続時間のポートフォリオ制御においても,最適値を実現できることを示した. 4.時刻1でpinnedした拡散過程について,Clark-Ocone-Haussman formula(=COH fomula)を証明した.その応用として双曲型空間の上のpinned Brownian motionついて非有界な拡散係数をもったディリクレ形式について対数ソボレフ不等式を証明した.
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